千日前国際劇場&国際シネマが31日閉館!愈々貴重な滋賀会館

2008年03月29日

これで大阪ミナミの歓楽街から、「昭和の映画館」が完全に消滅。

1956年のオープン以来、永らく大阪ミナミの映画ファンを楽しませてきた老舗映画館「千日前国際劇場」「千日前国際シネマ」「千日前国際地下劇場」の3つスクリーンが終幕。
本日3/29日~31日は<さよなら上映>として、『狂った果実』など計5本を各劇場で特集上映。
そして2008年3月31日を持って惜しくも“閉館”となります。

戦前からの歴史ある京都宝塚劇場や、大正生まれで現役最古の映画館だった京都・八千代館など、京都でも次々と映画館が姿を消しましたので、関西の中では未だ残る1954年オープンの滋賀会館大ホール・スクリーンも、いよいよ貴重なる映画文化遺産の“宝物”と化してきました。それでも少々古い程度では、その価値も認めてもらえないでしょう。

千日前国際劇場&国際シネマが31日閉館!愈々貴重な滋賀会館

関西を代表する老舗映画館「南街会館」が「TOHOシネマズなんば」に、「道頓堀東映」「角座」「浪花座」などが「なんばパークスシネマ」へと、それぞれ最新のシネコンに建て替えられ、計20スクリーンに増加した新チェーンでのミナミ再編が出来上がってしまった以上、もう以前のようなロードショー館には戻れないと分かっていた千日前。
シネコン新設工事開始からの数年間に、名画座や準単館系劇場への転換チャンスはあった筈ですが、映画館側が何も動かなかったんで、我々には全くどうしようもないところ。本当に残念です。

今回、新聞やネットのニュース発表には、あくまで「休館」であり「閉館」ではない、と書かれています。確かに「閉めた」とは言われたくないでしょうが、しかし残念ながらコレは間違いなく「閉館」です。それでも、

ホントに悔しいのはオーナーよりも、名画劇場としての復活を期待したお客様や、多くの映画ファンでしょう。

オーナーの周辺関係者が、何とかこのミナミ最後の大劇場を守ろうと、
新たに映画館のファンクラブ「千日前シネマ倶楽部」を今年1月に結成。
千日前国際劇場&国際シネマが31日閉館!愈々貴重な滋賀会館
<京マチ子特集>、<溝口健二の映画>と、「名作映画まつり」を企画開催して好評を博したものの、結局のところすでに時は遅し‥‥。尽力された諸先輩方の徒労が痛い限り。
昨年からの<チャップリン映画祭>に、<市川雷蔵映画祭>など大映映画作品を持つ角川映画さんの協力のみによって、この1年ずっと角川映画(旧日本ヘラルド映画)作品でほぼやり尽くし、そして終わっちゃったという感じです。

もしも現状設備の改善策や事前の対応策が施されていれば、他社の協力も生まれてまだ興行を続けられる方策はあったと思います。けれども「なんばパークスシネマ」の開館から1年近く、結局何の対策も講じなかったために昨年春より丸1年、劇場の赤字を大きく拡げてしまい、閉館を加速させてしまいました。
先に閉館を決めた千日前セントラルさんと違って「此処は無くさないです」と聞いていただけに、傍からみても残念。
これで4月以降は、もはやビル新築建替えを行わなければ上映再開は不可能な状況となりましたが、わずかな設備改善の決断も行わなかったオーナーには、新ビルに着工しても映画館建設の意欲は無いでしょう。

その気持ちが下記コメントにも残っていて、もー空いた口が塞がらなくなりました(笑)。
 『休館後の具体的な予定は決まっていない。オーナーは「土地、建物を売却することはない。映画館を残すいい話があれば」と期待している。』  【スポニチ大阪 3月15日付 紙面記事より】

いやはや、「いい話があれば」って・・・、とにかく、ご自身で考えて行動することはなかった。
このもどかしさ、何か似ている人が? 、って考えてみたら、とほほ。なんと今の総理大臣だった・・・。

<さよなら上映>
■実施劇場・上映スケジュール
かつて日活の封切り館として、日活映画全盛の時代を支えてきた本館に合わせてのセレクト。
あとは新東宝史上の大ヒット作で 儲かって笑いが止まらなかった千日前思い出の1本のよう。

●2008年3月29日(土)~31日(月):千日前国際劇場
10:45/14:10/17:35 『狂った果実』(1956)
12:20/15:45/19:10 『嵐を呼ぶ男』(1957)
※2本立て上映

●2008年3月29日(土)~31日(月):千日前国際シネマ
11:00/13:05/15:10 『明治天皇と日露大戦争』(1957)
17:15/19:20

●2008年3月29日(土)~31日(月):千日前国際地下劇場
12:30/15:10/17:50 『団地妻 昼下がりの情事』(1971)
12:20/15:45/19:10 『実録 阿部定』(1975)
※2本立て上映
■料金:500円均一
■問い合わせ先:千日前国際劇場グループ(06-6641-9932)


Posted by エス at 09:49