さらば浜大津アーカスシネマ

エス

2008年01月25日 14:05

本日、開業10年手前の1月25日をもって東宝の直営映画館[浜大津アーカスシネマ]さんが営業を終了します。
建物の構造性質上、映画館以外にはなかなか利用が効かない場所ですから果たして10年目以降はどうなるかと業界も注目していましたが、敦賀と水口で順調な業績を上げる「アレックスシネマ」さんが運営を引き継ぐ事になり、一週間の休館改装期間をもうけた後、2/2日より[大津アレックスシネマ]として再生オープンされます。

高槻TOHOシネマズに続く地元興行会社への営業譲渡で閉館は無く、オーナー京阪さんもひと安心ですが、イオンシネマズの進出などを念頭に置くと、建物の古さは楽ではありません。10年前に京阪グループとの提携で華々しくオープンした経緯を知る地元民には、滋賀から東宝直営館が撤退する現実は、一見目立たないながらも大津の経済的な貧弱さを露呈したわけです。

宮城、高槻に続いて、既存の東宝系映画館を地元の興行会社が引き継ぐ営業譲渡のスタイルは、さすが業界トップの見事な戦略と判断です。
しかし結局その後は、地元の活性化と共に映画興行を守り続けたい人々の“心”に[映画]は託されたということなのです。

簡単な携帯端末でも[映画]が楽しめるようになってきた今、[映画館]の面白さを伝えられるのはいったい誰なのか。
すぐさまテレビ放送されるテレビ局の日本映画。1800円と1000円の不釣り合い。
なぜ高校生が大学生と同じ料金を払わなければならないのか。
最近は親子でアニメを見ていた多くの子ども達が映画館には帰ってこないようですが、ある程度の理由は見えている訳です。
若い世代の観客層が、再び身近に[映画館]で映画を楽しむことが出来る様に。
そして多くの本を読む様に、多ジャンルの音楽を聴く様に、もっと多くの映画を見て、<映画力>を備えて欲しい。
例えば、「恋空」以上の面白さ。それは必ず見つけてもらえると信じます。

出来る限りの上映と努力を続けてみます。
先ずは、あす26(土)と27(日)の2日間。
滋賀県が今秋に運用停止を決めた滋賀会館の1階大ホール。

映画史上に燦然と輝くアクション映画の金字塔『大脱走』&『荒野の七人』2大作を一挙上映!
一体全体、ホンモノの男の魅力を描き出す映画は何処へ消えてしまったのか?
その原点に立ち戻る為にも、この2作品を巨大なスクリーンでド体感して欲しい。
案外だが、実際はテレビの映画劇場でしかこの傑作を見ていないと言うようなTV映画ファンが多いのだ。
でもあの素晴らしいテーマ曲はアタマの中を回っていく。
エルマー・バーンスタインの、これぞ映画音楽。
全てはバランスだ! 爽やかな芳香も、男の汗にむせる豪快な映画も合わせて必要。 
ダイ・ハードな男たちに、男どもは最敬礼。女たちは、惚れてくれ!
これが恐らく銀幕大スクリーンでのラスト・チャンスだ。

さあ、今年もまだまだ踏ん張るお宝?[映画館]をもう一丁盛り上げてください!!