キネマ旬報ベストワン『嗚呼、満蒙開拓団』は京都8月15日公開

2009年07月30日

9月のオススメ作品、『私は猫ストーカー』を先に紹介して、京都みなみ会館の8月ど真中のお昼に上映する映画をちゃんとお知らせ出来てません。すみません。



いま東京の岩波ホールで上映中、羽田澄子監督の『嗚呼満蒙開拓団』。
今年、新春に発表された「2008年キネマ旬報文化映画ベストテン」で堂々の第1位。
また「日本映画ペンクラブ」文化映画ベストワンにも輝いた秀作です。

“満蒙開拓団”とは国策によって日本から旧満州、内蒙古に入植させられた移民たち。
その数、約27万人。敗戦によって帰国できなかった死者8万数千人。
今なお解決などしていないこの悲劇を、誰が伝え残せるのか。

これまで数々の名作ドキュメンタリーを発表されてきた羽田監督が、満州大連生まれで戦後に引揚げてきた方だったとは!
ちゃんと知らなかった自分が恥ずかしいです。

中国残留孤児の問題が世間で薄まっていく中、国家賠償請求の訴訟は始まったことがきっかけで、羽田監督は戦後、満州の奥地で起きていたことを始めて知る。
そして辿り着いた、中国人の手により建設され「日本人公墓」。
侵略された国が、侵略した人々の墓を建立し、維持管理をしている事実。
残り少なくなった体験者の証言と調査から、日本の近現代史が振り返る、魂のドキュメンタリー。

『妻の貌』を第1弾に
『嗚呼、満蒙開拓団』、『花と兵隊』と、「戦争と平和」を映画から見つめる、8月の京都みなみ会館
我々は、沢山の情報に揉まれながら、本当に大切なことはまだまだ知らないのです。



Posted by エス at 00:41

京都新聞に綱渡りの男~映画『マン・オン・ワイヤー』の犯罪芸術

2009年07月28日

本28日の京都新聞夕刊[エンターテインメント欄]にて、フランスの大道芸人フィリップ・プティ氏が紹介されました。

プティ氏が、1974年にニューヨークのワールド・トレード・センターでやってのけた偉業。
それは「史上最も美しい犯罪芸術」と言われた地上411mの綱渡り。
この驚きの計画から実行までを追った感動のドキュメンタリー。
それが映画『マン・オン・ワイヤー』(2008年/イギリス映画/95分)。



この映画の優れたところは、単なる記録の綴りではなく、第一級のミステリー、サスペンスとして仕上げられた、その物語りの面白さにあります。

ひとりの男の冒険ロマンが、愛と友情で織り込まれ胸に迫ります。
一人ではなく、チームでこそ成し得た成功への道は、さながら「ルパン三世」です。
挑戦当時の映像と、再現映像の演出、編集は見事。
更にその映像を引き立てる音楽の素晴らしさ!
マイケル・ナイマンとエリック・サティのブレンドがバツグンです。
並みの劇映画では敵わない娯楽作と言っても良いでしょう。

先週の朝日新聞・あいあいAI京都や、京都リビング新聞の映画評でも、この映画『マン・オン・ワイヤー』を取り上げて頂き、ご覧になった方のインパクトと満足度が凄く大きかったのだと改めて感心しています。

京都みなみ会館にて、8月中旬までの上映。
RCS特選!この夏休み前半の注目作です!




Posted by エス at 23:59

京都みなみ会館9月のお薦め!星野真里主演『私は猫ストーカー』

2009年07月28日

どんなに愛しくても、
ふれあえる時間は
ほんのわずかなのです

『私は猫ストーカー』



ぴあの受賞で注目を浴びた『裸足のピクニック』から矢口史靖監督とコンビを組み、脚本から俳優までを多彩にこなす鈴木卓爾。
その鈴木卓爾監督、待望の長篇デビュー作に、ベテランから新鋭まで日本映画を支えるスタッフが結集しました!
原作は、古本と猫に心を躍らすイラストレーター浅生ハルミンの同名エッセイ。
その演技力で高い評価を受けている星野真里をはじめ、江口のりこ、宮崎将、徳井優、坂井真紀… 個性豊かな俳優たちが共演が楽しい!

いま、東京公開でじわじわとファンを増やしている静かな話題作。
いよいよ9月、関西は京都みなみ会館からロードショー公開スタート!

ちょうど主演の星野真里さんは、昨7月27日がお誕生日!
「おめでとう〜!」
「月刊星野真里」も今月発売され、何だかシアワセな発言も飛び出し、いま注目です!!
実はRCSで3年程前に、映画『さよならみどりちゃん』公開のキャンペーンで星野真里さんを京都にお招きしたんですよ。
共演の西島秀俊さんと、京都の同志社大学で舞台挨拶とプレミア上映を行わせて頂きました。
お二人とも、とっても素敵な方で感動でした!



今回の映画『私は猫ストーカー』では、彼女の女優としての魅力がさらに昇華していると思います。お楽しみに!


Posted by エス at 12:21

京都みなみ会館またも『黒蜥蜴』上映!京マチ子?スゴい!歌う?

2009年07月28日

本日から3日間。
7/30日(木)迄の京都みなみ会館
モーニング&レイトショーで、昭和パワーを味わってください!

<市川雷蔵映画祭2009~ウラ企画>
大映映画のスゴい世界~京マチ子の朝と夜



まだ若さいっぱいの市川雷蔵が助演脇役で出演した映画『千姫』(1954年)のタイトル・ロールを演じた女優は、京マチ子。
そして、彼女の名声を一躍浮動のものとした映画が、ヴェネチア国際映画祭で見事グランプリに輝いた『羅生門』(1950年)。50年代の大映を背負って立ったナンバー1人気の女優であり、国際的にも日本を代表する女優として活躍。『地獄門』『源氏物語』『雨月物語』など代表主演作は、世界中で公開されています。

そんな日本の美を象徴した京マチ子が放つ魅力は、着物が似合う時代劇だけに留まりません。
昭和を舞台にした作品にも多数の名作があり、当時の流行を取り入れたファッション・センスも実にクール。
『偽れる盛装』から『女の勲章』などの吉村公三郎監督や、『穴』『足にさわった女』『ぼんち』などの市川崑監督など、素晴らしい作品が目白押し。
しかし今回はその中からひとつだけをセレクトと云う処でファッションにも注目して、美輪明宏版でお馴染みの『黒蜥蜴』、その踊る大映版を選びました。

なんと美輪明宏の十八番『黒蜥蜴』を、京マチ子が演じます!
明智探偵は『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』と同じ大木実さん!再びの追悼上映です。
監督は、石原裕次郎主演作からたのきんトリオまで、5大映画会社を渡り歩いた日本映画を代表する職人、井上梅次。
黛敏郎音楽による「くろとか〜げっ!」の素敵なメロディが心に響きます。
京マチ子による、驚きのスーパー・ミュージカルを楽しみましょう!



京マチ子主演・第3弾
『羅生門 デジタル完全版』は8月6日よりモーニングショー!
京都みなみ会館


Posted by エス at 11:50

食の映画『いのちの食べかた』『キング・コーン』大阪京都で上映

2009年07月27日

食に感心がある人。
また特に外食が多い人なら、必見の映画!
今週から大阪・シネマート心斎橋でお待たせの関西ロードショー公開が始まりました。



あなたの身体、実は“とうもろこし”で出来てるんです!?

『キング・コーン〜世界を作る魔法の一粒』
2007年/アメリカ映画/90分/監督・製作:アーロン・ウルフ

アメリカの若者2人が「ふだん口にする食べ物についてもっと色々知っておきたいゾ」と無謀にもアリゾナの農家に移り住む。
そこでは遺伝子組み換えされた種子や強力な除草剤を使って大量のトウモロコシが育てられ、農業経験のない初心者の彼らにも意外と簡単に育てる事が出来たのだった。
さて、更なるオドロキはその後。果たして自分たちの収穫物がどの様な場所で消費されているのか?
その行方を追って旅に出た彼らが、その果てに見た予想もつかない真実とは!? 
もう明日から、あなたの食生活が変わるかもしれない衝撃を、軽い塩味のポップコーンの様に綴った快作です。

大阪では、8月7日まで、シネマート心斎橋で上映中。
京都では、8月13日より京都みなみ会館でロードショー。
神戸では、9月予定にて神戸アートビレッジセンターで公開。



シネマート心斎橋では、劇場スタッフがこの映画のテーマに興味を持ってもらおうと、オリジナルのトウモロコシ人間ポップを製作!
劇場入口で『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』や『レスラー』など、他の映画のお客に結構アピールしてました!



そして、この映画の公開を記念して、見ておきたい“食”の映画ランキングのイチバンと言われる秀作『いのちの食べかた』のアンコール上映も実施します。

大阪では、7月31日までシネマート心斎橋で朝10時よりモーニング上映中。
京都では、8月13日より京都みなみ会館で限定上映。



食べる事が大好きな人
両作品、ぜひとも見ておいてくださいね。


Posted by エス at 04:27

死のロード前で甲子園、阪神タイガースの逆襲反撃祈る夏休み  

2009年07月27日

阪神甲子園球場からJRへの中吊り広告が再び。



前回の紹介でも書いた通り、エースナンバー安藤が表紙になってもピンとこない今年の阪神タイガース。
真弓監督自身が阪神電車の“新線力”宣伝をやってるコトがまさに皮肉になってしまって辛い処。
空前の負越し数14。
この数年来忘れていた野村監督時代のトホホな感覚が甦って来る。

こんな状況では関西の経済も盛り上がらないですが、この落ち込みからの脱却を目指して頑張らなきゃいけません。
(これに倣う訳ではないですが、ちょっとRCSも同様にへたっていて、滋賀会館シネマホール京都みなみ会館も結構シビアでした。この夏から巻き返しにさらに頑張ります!)

28日からは横浜と巨人との対戦で6連戦。
これが終わると、夏の高校野球が始まるので、しばらくは甲子園に帰れないでしょう。
甲子園球場も営業仕掛けて人気アップを図ってますが、ただ受け身のままでタイガースが浮上しなければ、8月以降の観客動員はピンチ。



さて、地域の顔として「ひょうご」県域での観光タイアップにも絡んでの広告出稿は意外ながらもおいしい処。
左右に並んで「緑色」配色合わせの連携で統一感が出ています。

また反対側には、秋に実施する「KOBE Biennale 2009」の広告が。
これもやはり「緑色」
ヨコハマに負けてられるかと、またやるようですが、正直いって前回に実施されたことすら記憶されていないでしょう。



しかし「グリーン」なのはなぜか?
兵庫県の色って、兵の文字をあしらったセルリアンブルーではなかった?
なんて思うけれど、今回の統一カラーはちょっと色違いの「グリーン」。
県の樹であるクスノキのカラーとしてとか理由はあるでしょうがこの色、阪神タイガースとはちょっと合わないでしょ。


Posted by エス at 04:27

滋賀会館『オペラ座の怪人』リクエスト再上映は今週30日限り!

2009年07月26日

なんで今ごろ、なんて声も有るでしょうが、再上映希望のリクエストが全く途絶えないのがこの作品のスゴさ。
やっぱりスクリーンで見たい作品です。
本年3月31日、京都の東宝公楽が閉館した際にこの映画をさよなら上映にしていました。
それ以来の上映ではありますが、実はこの秋に売り止めがかかると聞き「上映出来るうちに!」の滋賀会館シネマホール再上映であります。

『オペラ座の怪人』
THE PHANTOM OF THE OPERA



2004年/アメリカ/143分
監督・脚本:ジョエル・シュマッカー
製作・作曲・脚本:
アンドリュー・ロイド・ウェバー
出演:ジェラルド・バトラー、エミー・ロッサム、パトリック・ウィルソン

女性の皆さまにはジェラルド・バトラーの魅力が勝る訳ですが、Sのお薦めは女優エミー・ロッサム。
実はこの少し前、京都みなみ会館で彼女の初主演デビュー作『歌追い人』をロードショーしていたんです。
アメリカ音楽のルーツのひとつとなった20世紀初頭アパラチアの人々とその歌に初めてスポットを当てた音楽映画の秀作。



で、そこに登場した少女の見事な歌声に魅了され、続く『オペラ座の怪人』の主演抜擢は当然と、秘かに応援していたんであります。
続いてクリント・イーストウッドの『ミスティック・リバー』に起用され、と注目作には出てるんですが‥、まあ近ごろはちと不発。
さすがに「DRAGONBALL EVOLUTION」のブルマ役は見に行きませんでした(-_-;)
でも映画って色々繋がって面白いでしょ!

上映劇場=大津京町・
滋賀会館シネマホール
大津駅より徒歩5分

上映日時=7/28(火),29(水),30(木)
各日お昼12:10上映

あと上映3回ですが、夏休み映画館での鑑賞体感はお薦めです!


Posted by エス at 23:58

『幼獣マメシバ』びわ湖大花火が初日の滋賀会館シネマ最新チラシ

2009年07月25日

7月下旬から8月下旬の滋賀会館シネマホール・ラインナップは多彩!
話題の日本映画からアジア、ヨーロッパ、名作特集までバラエティに組み上がりました!



表紙は可愛い豆芝犬!
実は、先月から京都みなみ会館の上映で話題になっていて『幼獣マメシバ』の上映リクエストが増えていたのです。
KBS京都でドラマが放送され、なかなか面白くってファンの方も多数。
8月7日公開で、松竹系のアメリカ・リメイク「ハチ公」映画の前日公開!
ハッキリ言って勝負に出てます!(ウソです)
更にこの日は「びわ湖大花火大会」です!
昼上映と夕夜の観光とセットで大津探訪もナイスですよ!

ちなみに滋賀県内って、KBS京都テレビはどのエリア辺りまで受信出来るんでしょうか??
草津までは映ってるとして、近江八幡、東近江辺りは?
彦根や長浜では無理かな?



みんな『幼獣マメシバ』知ってますか?


Posted by エス at 16:49

日本映画史に残る傑作『妻の貌(かお)』広島原爆の日、京都公開

2009年07月24日

新しい上映スケジュール、RCS movie line-up が出来ています。
vol.128の表紙は『妻の貌(かお)』と言うドキュメンタリー映画です。


この夏休みは、今週25日より京都公開となるアカデミー賞受賞作『マン・オン・ワイヤー』がメイン番組となって、<傑作ドキュメンタリー映画特集>が組まれています。
しかしこの『妻の貌』が、全く無名ながらも、その圧倒的な作品のインパクトから急きょ劇場公開への動きが広まったため、この夏のメイン番組へ取り上げられました。
地元の広島では公開中。
東京では今週25日よりロードショー。
京都みなみ会館は、関西先行上映
広島原爆の日、8月6日(木)よりロードショーとなります。



広島の映像作家が、記録し続けた我が妻とその家族の肖像。
なんと50年に渡って撮り続けた映像の凄みは、見る者を心を掴みます。
静かなる「歴史」の証言と、切実な「平和」への祈り。

「『妻の貌』は疑いもなく日本映画史に特筆すべき傑作である」
映画評論家の佐藤忠男氏からのコメントがズバリ、力強いです。

そしてこの作品に併せて、夏休みの京都みなみ会館では「戦争」と「平和」をテーマに数々の注目作が連続公開。
『嗚呼 満蒙開拓団』
『花と兵隊』
『チョコラ!』
など最新話題作から、リクエスト上映の『ウォー・ダンス 響け僕らの鼓動』等々。
<傑作ドキュメンタリー映画特集>お薦め!


Posted by エス at 12:52

京都みなみ会館<市川雷蔵映画祭>京マチ子『千姫』のみ土日上映

2009年07月23日

1週間もアッという間
17日の命日から上映を始めた恒例<市川雷蔵映画祭2009>。
明24日(金曜)でメイン・プログラムが終了です。



但しうち1作品、
『千姫』のみ、7/25(土)、26(日)の朝10時よりモーニングショーの追加上映があります。

実はこの映画、市川雷蔵の初期作品で助演作なのですが、とっても重要な映画なのです。
しかし、未だソフト化されていない為、こうしてスクリーンでご覧いただける機会も貴重。
そこで遠方の方にも駆けつけご来場頂ける様、週末の土日朝で追加上映を組んだ次第です。



雷蔵映画出演3作目。
この作品で演じた豊臣秀頼役を見た溝口健二監督が、この後『新・平家物語』の主演へ雷蔵を大抜擢したのです。

さて、そんな大スター市川雷蔵のお陰で、我々は数々の大映映画の名作を楽しめるわけですが、出来ればもっともっと楽しんで戴きたい!
と言う訳で、
25日(土曜)は、大映・昭和カルトのオールナイト4本立。
更に女優・京マチ子繋がり企画。
『黒蜥蜴』のモーニング&レイトショーと、8月は『羅生門』デジタル完全版モーニングショーがあります。
この夏は、京都みなみ会館ラインナップにご注目下さい。





Posted by エス at 23:59

交響詩篇エウレカセブン、ロシア革命アニメ京都みなみ会館で上映

2009年07月22日

さあ、そろそろ大学の試験も終わり頃。
海の日越えて夏休み入って、梅雨明けまだかいな?なんて処でしょうか。
さて恒例《市川雷蔵映画祭2009》も好評の京都みなみ会館
この夏は、今週25日から待望の京都ロードショーとなる『マン・オン・ワイヤー』を筆頭に、ドキュメンタリー映画の秀作が世界から続々!なんですが、別にもうひとつ!
世界のアニメーション映画もいろいろ堪能して戴きたい!
ってポイントも有り。

京都でも上映して!
関西に持って来て!
という訳で、そんなリクエストに少々お答えさせて頂きますYO!



7月28日(火)から
『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』
7月31日(火)から
ロシア革命アニメーション》A&B2プロ特集
8月以降からは、
『劇場版ムーミン パペット・アニメーション~ムーミン谷の夏まつり~』
『ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢』
『イジー・バルタ短編集』などなど。
京都みなみ会館での上映を、お楽しみに!


Posted by エス at 13:38

映画『シリアの花嫁』に感動の涙《地中海/愛の名作選》滋賀会館

2009年07月22日

「嫁いだら、もう再び故郷には帰れない」
軍事境界線を越えてシリアの男性と結婚することになった、イスラエル占領下ゴラン高原の村に住む花嫁の決意と運命。
仲の良い姉妹と、その家族の愛に胸あつく。



滋賀会館シネマホールで、本7月22日から8月上旬まで上映のシリーズ。
今週、最初に上映されるのが『シリアの花嫁』
でも、特集タイトルは〜“地中海/愛の名作選”〜になっています。
これはどんな意味か?
という訳で、今夏のおすすめ映画をご紹介。

先ずは作品の共通項。

各国で映画賞を獲得している秀作映画3作。
3作すべてが、地中海に面する国々の作品。
3作すべて、女性たちを主人公にしている。

つまり、分り易く言えばこれは、“中東・西アジアの女性映画特集”。
しかしアジア映画と言えば、先入観として日本ではイランまでがぎりぎり。
更にイスラエルやシリアなどを連呼すると、直ぐさま紛争やテロのイメージに結ぶニッポン。
『キャラメル』なんて甘い題名でも、レバノンのベイルートが舞台とは簡単に言い難く。
分水嶺のトルコはサッカーじゃ欧州サイドに入ってるし、中東と言っても映画『そして、私たちは愛に帰る』をはじめ各作品ともドイツやフランスなどの合作でヨーロッパも舞台に。



なんて処から見て、女性たちの人生模様にスポットを当てた映画の良い部分が霞むのが残念だったのです。
そこで考えたのが、先日上映した『マンマ・ミーア』のギリシャ。
そう、皆の国々が違っていても“海”では繋がっているのです。
実際に名作『そして、私たちは愛に帰る』ではトルコから眺める海の風景に、そんな思いが託せます。

だから、「地中海で繋がっている愛の物語」として三つとも見て貰いたい!
ぜひこの滋賀会館シネマホールでの上映チャンスに、まっさらな気持ちでこれら「愛の名作」に触れてみてください。



『シリアの花嫁』は、7/26日(日)迄。
イスラエル・フランス・ドイツの合作で、一昨年のモントリオール国際映画祭グランプリを獲得した傑作です。

第2弾『キャラメル』は、7/28日(火)より。
第3弾『そして、私たちは愛に帰る』は8/4(火)より上映です。何れも今春に京都みなみ会館で上映して大絶賛を戴いた素晴らしい映画なので、ぜひお見逃しなく。


Posted by エス at 13:05

名作『ミツバチのささやき』『エル・スール』滋賀会館で8月公開

2009年07月21日

名匠ビクトル・エリセの大傑作2作品。
『ミツバチのささやき』&『エル・スール』

京都みなみ会館で新春にリバイバル公開され、大好評を頂いた名画が全国をめぐって、ついに滋賀・大津でも上映決定!



滋賀会館シネマホールにて
8月25日(火)~30日(日)
6日間限定公開。

そしてこの上映の前の週、8月20日(木)~23日(日)には、エリセ監督がこの2作を撮るに至る、とっても影響を受けた監督の名作日本映画をアンコール特集するのです。
もし、この監督の日本映画と出会わなかったら、映画監督を志していなかったかも知れないそうです。
映画との出会いって、時に人生を変えるほどスゴイ衝撃なのですね。

と、まあ来月の話はさておき、明7月22日(水)公開の『シリアの花嫁』もオススメ!
<地中海/愛の名作選>と銘打ってお届けする3作品は何れも素晴らしい秀作ですよ!
短期間の上映なので、どうかお見逃しなく!


Posted by エス at 23:46

『盲獣』『黒蜥蜴』『卍』‥京都みなみ会館で昭和映画秘宝ご開帳

2009年07月20日

京都みなみ会館
7月25日(土)深夜
オールナイト4本立!

昭和カルト御殿
文豪vs女優 体当たりナイト!
~乱歩、三島、谷崎に挑んだ女たち~

☆ただいま開催中の《市川雷蔵映画祭2009》に併せた特別企画実施。
大映映画の面白さと、妖しき昭和の魅力をたっぷりと堪能して貰うスペシャル・ナイト!

京都みなみ会館で初上映となるレアものが2本。
先ずはこれまで永らく上映のなかった歌って踊る京マチ子版『黒蜥蜴』。
いま上映中の雷蔵と初共演した『千姫』と続けて見ると、驚きも倍掛けです!
GWにアンコールした『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』と同じく明智探偵が大木実さんでまた追悼。

そしてこの映画祭で小特集を組んだ池広一夫監督が、雷蔵没後に撮り上げた『おんな極悪帖』。
大阪万博の年にこんな谷崎ものがあったとは!
脚本が星川清司で、美術が西岡善信なので雷蔵ファンにも気になるところ。

更に、他社から客演をお願いする他ない危うさ炸裂!
『盲獣』の緑魔子。



☆写真は『盲獣』のオリジナル・ポスター。 (劇場にて展示中)
もう、江戸川乱歩の数ある映画化でもかなり評価が高いカルトムービー。
さらにカルト性なら、若尾文子もたじたじの岸田今日子が絡む『卍(まんじ)』が最高!

さあ、名女優たちが挑む体当たりのスゴさをお楽しみください。

22:45開場
23:00上映
『盲獣』
1969年/日本/84分
監督:増村保造
原作:江戸川乱歩
出演:船越英二/緑魔子/千石規子

0:45~
『黒蜥蜴(大映版)』
1962年/日本/102分
監督:井上梅次
原作:江戸川乱歩
原作戯曲:三島由紀夫
出演:京マチ子/大木実/川口浩

2:50~
『おんな極悪帖』
1970年/日本/84分
監督:池広一夫
原作:谷崎潤一郎
出演:安田道代/田村正和/小山明子/佐藤慶/岸田森/小松方正

4:35~(6:10)
『卍 まんじ(大映版)』
1964年/日本/90分
監督:増村保造
原作:谷崎潤一郎「卍(まんじ)」
出演:若尾文子/岸田今日子/川津祐介/船越英二

前売券:2,000円、当日:2,500円 
*前売券は劇場窓口およびチケットぴあ(Pコード:555-450)にて販売中。
ネット予約:2,300円 
学割:学生は前売ネット予約当日全て2,000円(要学生証)





Posted by エス at 23:59

祇園祭も終わり。JR京都駅中央改札の飾りも気合い入ってますね

2009年07月19日

せっかくの三連休ですが真ん中で大雨の日曜日。
17日の山鉾巡行に雨が降らなかったことは幸い。
夕方からはしっかり雨が降り出しましたが、これは毎年お約束の「涙雨」。

京都が誇る大スター、市川雷蔵の命日でもある7月17日。
京都みなみ会館では、ほぼ恒例で《市川雷蔵映画祭》を開催して主演作品を上映しています。
そしてこの上映中、命日の17日は大抵、一度は雨が降るのです。
もちろん時節柄、夕立が多いわけですが、雷蔵ファンにとっては、これが「涙雨」。
つまり「雷蔵さんが空から雨粒を落として雷を鳴らしてる!」と。
その雨と雷に市川雷蔵を想うと、嬉しくなって涙が溢れでる。
今年もそんな週末。



四条へ向かう京都市営地下鉄との連携には地下改札利用ですが、この提灯につられて中央改札から出ちゃった人も多いでしょうか。
大不況とインフルエンザ発生で観光客が大幅に減った京都ですが、この祇園祭には観光客が多く集まって賑わっておりました。
それでも昨年より数万人少ないようで、マイナスの影響を回復するのも簡単ではない事がよく分ります。

しかしJR西日本。
観光誘致の営業努力にチカラ入れ過ぎ?
方や人員削減の合理化で安全運行の確認要員少な過ぎ。
結果は「神戸線でああだ、確認の為にこうだ」と、言い訳アナウンスばっかりで、JR京都線上りの遅れは常習化。



京都みなみ会館や、二つ先の大津駅で降りて滋賀会館シネマホールへ映画を見に来てくれるお客様には「間に合わなかった」と申し訳ない場合も多々。
ライバルの私鉄電車では滅多にない遅延。
何とか解消、正常化に向けての取り組みを!


Posted by エス at 23:59