ソクーロフの新作『チェチェンへ〜アレクサンドラの旅』京都上映
2009年05月06日
京都みなみ会館では、《ヒマラヤ国際映画祭》で注目されるチベットと同様に、チェチェンを通して過酷な環境を“感じる”映画を上映中です。
『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
2007年/ロシア・フランス/92分
原題:ALEXANDRA
監督・脚本:アレクサンドル・ソクーロフ

この作品の主演は、世界的チェリスト、故ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの妻で、ロシアのオペラ界を代表する天才ソプラノ歌手、ガリーナ・ヴィシネフスカヤ。
彼女が映画初出演とは思えぬ演技で賞賛を集め、主演女優賞までも獲得した注目作。
愛する孫の顔見たさに最前線までやって来た老女の姿を通して、戦争が普通の人々の人生にもたらす悲劇を静かに見つめるとともに、「戦争に美学はない」と断言するソクーロフ監督の、平和への願いを込めた最新作。
<2008年キネマ旬報ベストテン/外国映画10位>
2006年に、昭和天皇ヒロヒトをイッセー尾形が演じて大きな反響を呼んだ『太陽』。
この作品以降、日本でも一躍その名を知られる様になったロシアの名匠アレクサンドル・ソクーロフ。
2007年には、ファンとして憧れの音楽家を描いた『ロストロポーヴィチ 人生の祭典』をロードショー。
そして去年は、未公開作『牡牛座 レーニンの肖像』を含むソクーロフの代表作を、京都みなみ会館にて一挙特集上映しました。
その幻想的とも言える個性豊かで独創的な映像設計には、多くの作家たちが影響を受けています。
生きている人が死んでいる様な、死んでいる人が生きている様な、不思議なる世界。
そこには言葉で語るのではなく、映像の力から人間の内面を描こうと試みるソクーロフ監督の挑戦があります。
戦闘が描かれる訳でもなく、事件が起こる訳でもない。
アレクサンドルが移動する場所が、ロシアとチェチェンだという明示すらされません。
ただそこは違う国であることが、言語が異なることで伝わってきます。
派兵された人間とその家族。制圧された紛争地域での滞在。
その場所はグルジアかも、またはチベットでも同じかもしれません。
駆けつけた祖母はそこで何を感じ、見る我々は何を思うのか。
ゆっくり映し出される画面の中に、戦争と人間を感じる作品です。
上映は5月13日(火曜)まで
モーニング+レイトショーにて
京都みなみ会館
『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
2007年/ロシア・フランス/92分
原題:ALEXANDRA
監督・脚本:アレクサンドル・ソクーロフ

この作品の主演は、世界的チェリスト、故ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの妻で、ロシアのオペラ界を代表する天才ソプラノ歌手、ガリーナ・ヴィシネフスカヤ。
彼女が映画初出演とは思えぬ演技で賞賛を集め、主演女優賞までも獲得した注目作。
愛する孫の顔見たさに最前線までやって来た老女の姿を通して、戦争が普通の人々の人生にもたらす悲劇を静かに見つめるとともに、「戦争に美学はない」と断言するソクーロフ監督の、平和への願いを込めた最新作。
<2008年キネマ旬報ベストテン/外国映画10位>
2006年に、昭和天皇ヒロヒトをイッセー尾形が演じて大きな反響を呼んだ『太陽』。
この作品以降、日本でも一躍その名を知られる様になったロシアの名匠アレクサンドル・ソクーロフ。
2007年には、ファンとして憧れの音楽家を描いた『ロストロポーヴィチ 人生の祭典』をロードショー。
そして去年は、未公開作『牡牛座 レーニンの肖像』を含むソクーロフの代表作を、京都みなみ会館にて一挙特集上映しました。
その幻想的とも言える個性豊かで独創的な映像設計には、多くの作家たちが影響を受けています。
生きている人が死んでいる様な、死んでいる人が生きている様な、不思議なる世界。
そこには言葉で語るのではなく、映像の力から人間の内面を描こうと試みるソクーロフ監督の挑戦があります。
戦闘が描かれる訳でもなく、事件が起こる訳でもない。
アレクサンドルが移動する場所が、ロシアとチェチェンだという明示すらされません。
ただそこは違う国であることが、言語が異なることで伝わってきます。
派兵された人間とその家族。制圧された紛争地域での滞在。
その場所はグルジアかも、またはチベットでも同じかもしれません。
駆けつけた祖母はそこで何を感じ、見る我々は何を思うのか。
ゆっくり映し出される画面の中に、戦争と人間を感じる作品です。
上映は5月13日(火曜)まで
モーニング+レイトショーにて
京都みなみ会館
Posted by エス at 11:51