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Posted by 滋賀咲くブログ at

カンヌ国際映画祭金の椰子グランプリ『4ヶ月、3週と2日』初日

2008年05月28日

もう早、夏を感じる暑さの5月下旬。今年も恒例<第61回カンヌ国際映画祭>のパルム・ドール、グランプリ他各賞受賞結果が26日発表に。
やりましたね!日本映画から、唯一の招待作品だった黒沢清監督の『トウキョウ ソナタ』が見事にある視点部門の審査員賞を受賞しました。
2001年『回路』での国際批評家連盟賞を受けて以来、再びの栄冠であります。日本では本当になかなか黒沢映画が興行的に当たりませんが、これで世界での評価はますます高くなるでしょう。今やフランスでクロサワと言えば、アキラではなくキヨシを挙げる人がかなり多いそうです。スゴイですね。そういえばテレビのニュース映像紹介ではオダギリジョーも一瞬映っていたけど、あれは2003年の『アカルイミライ』(コンペに選出)の時の使い回しだったのだろうか?
それにしても、あの赤絨毯を浅野忠信と歩いてから「サッド・バケイション」でのオダギリジョーの共演があったりする訳で。黒沢映画に主演したふたりのその後の国際的な活躍にも大きくかかわって行くのですから、たったひとつの映画から、人生変わる、変わる!

そして今回のコンペティション部門の最高賞、パルム・ドールは、フランス映画でローラン・カンテ監督の「ENTRE LES MURS(THE CLASS)」が選ばれました。フランス人監督のパルム・ドール獲得は、「戦場のピアニスト」のロマン・ポランスキー監督の受賞以来6年ぶりとなるとのことですが、フランス映画自体の受賞って、20年ほど前の「悪魔の陽の下で」以来の久々じゃないだろうか?
準賞となる審査員グランプリは、お隣イタリアのマッテオ・ガローネ監督「Gomorra」が受賞。
う〜ん、なんだか知らん顔ぶればかり。メイレレスやイーストウッドなど有名どころは外れたようですね。なんだかどうやら今年の審査員チームはメジャーな匂いの映画を外してきた感じです。

最高賞パルム3回目の快挙を成し遂げそうな勢いもあった、やはりお隣ベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟最新作「Le Silence De Lorna」(原題)は、それでも脚本賞を受賞!さすがです!


しかし、パルムドール受賞!と言ってもやっぱりイマイチ、ピンとは来ないんですが、日本人はあまりにも長く“Grand Prix”の方が最高だと信じていました。実は“Palme d'Or”を“グランプリ”として言い換えて長年ずっと紹介していたのです。
ですから準賞となるホントの“Grand Prix”名義をあえて“審査員特別賞”として紹介していました。けれどもそれとは別に“審査員賞”などもちゃんとあるものだから、ホント確かに分かりにくかった。
それが、日本国内でのカンヌ映画祭での<グランプリ>の呼称が1993年ごろに、突如として<パルムドール>表記に変わったのでややっこしい。それまでは先日上映した「甘い生活」も、「影武者」も“グランプリ受賞!”としか書いていませんでしたから、突然正しく改められても戸惑うばかり。たぶん配給する会社も、この表記を正しく書きたかったのでしょう。そうして審査員グランプリを受賞した映画はその時から鼻高々に「カンヌ・グランプリ受賞!」と大書きしてくるようになりました。
グランプリではなくて、パルムドール受賞!と始めてハッキリと印刷した最初の映画は、たぶんビレ・アウグストの『愛の風景』ではなかったでしょうか。誰か覚えてます?
大体“パルムドール”ってパルム(椰子)の人形、とか思っている人すらいると思うけれど“Palme d'Or”ですので、“黄金の椰子”なんですよね。

で、去年この黄金の椰子のパルムドール“Palme d'Or”を受賞した作品というのが、滋賀会館シネマホールでのロードショー上映が始まったルーマニア映画『4ヶ月、3週と2日』なのですよ。
と言うことで、ようやく見出しに書いた映画のタイトル“金の椰子”に辿り着きました。どうもお疲れ様です。


これは、二人だけの秘密──。
1987年 官僚主義がはびこり、人々の自由が極端に制限されていた独裁政権下のルーマニア。
法律で禁じられた“こと”を実行した勇気あるヒロインの物語。

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Posted by エス at 00:57

無軌道極まるセックスの、ってフェリーニ『甘い生活』のコピー?

2008年05月26日

日曜日は滋賀会館大ホール<フェリーニの世界・第1弾上映>へのご来場、どうもありがとうございます。
『甘い生活』は衛星放送など放送でも見るチャンスは有りましたが、あのド迫力のシネマスコープ・サイズ(イタリアでの呼称ではトータルスコープ)による見事な撮影のスゴさは、どうしても劇場の大画面で感じとって貰わなければなられない大切な映画の肝。初見だと思われる学生の方も割とお越し戴けたの嬉しいです。オープニングで巨大なキリスト像を運ぶヘリコプターの描写から圧倒されますが、当時でも巨額の制作費をかけた大掛かりな撮影と、そのプロフェッショナルなテクニックの素晴らしさにホンモノの凄みを感じて頂けたら何よりです。
そして久々上映でも地味なポジションの『崖』では有りましたが、動員は僅かなれども、常連の方や会員の皆さまが多く観に来て頂けて有難かったです。
続いて6月15日に上映する<フェリーニの世界・第2弾上映>『道』と『魂のジュリエッタ』。
そして京都みなみ会館にて配給期限切れで最後の映画館上映となる貴重なドキュメンタリー映画『フェリーニ 大いなる嘘つき』も、どうぞよろしくお願い致します。

それにしても、公開当時の貴重な『崖』のポスターを借りて展示する事が出来たのは嬉しかった。私も初めて実物を見たんです。感動!
モノクロ映画でも豊かな色彩で描いて見たくなる様にさせる映画宣伝ポスターの醍醐味もたっぷり!
主演のブローデリック・クロウフォードが後ろに小さく、脇役のジュリエッタ・マシーナがまるで主演。「道」の後での公開だけにご愛嬌です。今だったら、作品の脇役で友情出演して出たブラッド・ピットやジョニー・デップなどのトップスターが、映画ポスターのメインを張ってる様なもんですね。

しかし公開当時のキャッチコピーはパンチが凄いですわ(笑)


無軌道極まるセックスの氾濫!猟奇と官能渦巻く現代に挑戦した空前の問題作!ですよ〜!


Posted by エス at 11:22

「ジャーマン+雨」滋賀会館シネマホール6月の新しい玄関看板を

2008年05月25日

信楽たぬきの頭の上。滋賀会館東側、正面玄関の前。
滋賀会館シネマホール看板をなかなか新しいモノに変える事が出来なくて、ご心配とご迷惑をおかけ致しましたが、ようやく先週より取り付け出来まして、皆さんにご披露しています。
5/25(日)にて、ゴールデンウイークより続映して来たアカデミー賞ノミネートのフランス映画『潜水服は蝶の夢をみる』の上映が終了しましたが、さらに今週はベルリン金熊賞『サラエボの花』とヴェネチア金獅子賞『ラスト・コーション』の2大グランプリ作品に、名匠オタール・イオセリアーニ監督の最新作『ここに幸あり』の3作品も、ウイークデーの5/29(木)にて上映終了します。
5月から6月の滋賀会館シネマホールは、何れ劣らぬ秀作がズラリと揃った映画ファンには堪えられないスゴいラインナップですので、ホントにコレを見逃すと勿体ない!



この6月は、復活再生オープンから数えてちょうど5年となります。
これを記念して6月1日には、全編を滋賀で撮影したインディーズ映画の快作「ジャーマン+雨」の日本映画監督協会新人賞受賞を記念して、監督の横浜聡子さんと、主演の野嵜好美さん、両名の来館舞台挨拶を実施します。
但し本作品の上映自体は、5月30日(金)よりロードショーを行っておりますので、ぜひご都合に合わせてご覧ください。

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Posted by エス at 23:59

25日はフェリーニ『崖』『甘い生活』次は、大いなる嘘つき!

2008年05月24日

25(日)は「崖」「甘い生活」を! RCS会員の皆様は、大いなる嘘つき フェリーニはマストで!

いよいよ残りも限られて来た滋賀会館の一階大ホールの特別上映シリーズ。
ニーノ・ロータによる素晴らしい映画音楽と共に、永遠に心に残るひと時を。

〜大画面に愛をこめて〜 <フェリーニの世界>

世界映画史上の頂点と讃えられる巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の没後15年を迎える今年。
その映画史上に残る代表作品より未だスクリーンでの上映が可能な4作品をアンコール上映します。
この貴重な機会にぜひ県内最大級の滋賀会館の大スクリーンで観る興奮の映画鑑賞を体験してください。

<第1弾> 5月25日(日)※1日限り特別上映

『甘い生活』1960年/173分/シネマスコープ
マストロヤンニ扮する三流新聞の記者と一緒にめぐるイタリア。冒頭からラストまで、永遠に残る美しさに陶酔。
カンヌ国際映画祭パルムドール最高賞受賞。
(1)12:20、(2)15:40

『崖』1955年/91分/スタンダード
代表作「道」の次に発表され、その陰に隠れているものの、やはり素晴らしい映像と音楽によって人生を見つめた佳作。
ケチな詐欺で日銭を稼ぐ男たち。長年悪事を重ねてきた初老の詐欺師の人生。
(1)10:00、(2)19:00

続く<第2弾>は 6月15日(日)※1日限り特別上映
『道』1954年、『魂のジュリエッタ』1965年を上映。
主演女優ジュリエッタ・マシーナの魅力溢れる2作品を上映します。

そして今回上映の4作品はいずれも音楽を名匠ニーノ・ロータが担当しています。
フェリーニの代表作はこの映画音楽界の大巨匠とのコラボレーションが素晴らしく、映画音楽の素晴らしさと大切さを我々映画ファンにしっかりと伝えてくれました。
ニーノ・ロータの美しい旋律の,その完璧さは「太陽がいっぱい」「ゴッドファーザー」など,他の代表作のタイトルを挙げただけでも直ぐにお分り頂けるでしょう。ですからそのサウンドトラックを、映画館のスクリーンでフィルムと共に体感して聴く事が出来るということは本当に素晴らしい興奮の時間なのです。


さて、そこで次回< RCSシネマファイルNo.61>の開催お知らせ!

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Posted by エス at 18:12

この中のお薦め映画は『接吻』と『モンテーニュ通りのカフェ』!

2008年05月23日

ここは梅田の某プレイガイド。
うめだの地下街で、昔からいちばん利用されていて百貨店と改札前の最高の立地にありますが、チケットぴあが普及してからはこういった「プレイガイド」って言葉自体も使わなくなった気がしますね。

さて、そんなプレイガイドの小さな壁面掲示板には映画やお芝居にコンサートのチラシが所狭しと貼りまくってありますが、ただ今RCSが宣伝を担当している2大傑作、『接吻』と『モンテーニュ通りのカフェ』のチラシがどど~んとはってあった(様に見えた)のでちょっと記念に写メ。

緊迫のラストまで小池栄子の素晴らしい演技に釘付けになる『接吻』に、パリとフランスの魅力を絶妙のブレンドで味わえる『モンテーニュ通りのカフェ』。
どちらも大阪は5月31日(土)から同じ日のロードショー!なんですが、何しろ上映劇場がシネ・リーブル梅田と梅田ガーデンシネマで、同じ梅田スカイビルの3階と4階で、上と下。
こんな状況はちょっと初めて、なのですが、更にシネ・リーブル梅田ではなんともう一本の宣伝作品、『世界で一番美しい夜』と言う作品も同じ初日に。これは故・今村昌平監督の息子である天願大介監督が、「神々の深き欲望」から「赤い橋の下のぬるい水」へと一貫して性の根源を描き続けた父の意思を継いだ気合の一本です。

作品は数あれど、記事を書いてもらえる枠が1枠しか無い媒体も多いというのに、ほんとにもうコレは困ったことです。
しかもいちばん困るのは、、、どの作品もめちゃくちゃ面白いんです!!



Posted by エス at 23:59

市川雷蔵&勝新太郎企画の宣伝へ。コンビニで前田珈琲を発見!

2008年05月22日

いやはや、もうなかなか書き込みが出来なくて残念無念。宣伝ブログなのに、宣伝が出来ずとは、とほほ。。。
忙しいのは、書き始める前から分かっていた事なので、まったく言い訳にもなりませんが、まあやっぱり3日は空けたくないですね。今週よりまた何とか気張ってまいります。ついつい長〜くあれこれ書いてしまうのも良くないところでしょうが、上映企画同様、蛇足好きなものでスミマセン。

さて、先週末は「遊子庵(ゆうしあん)」と言う名の京町屋を改造した新しいギャラリー、スペースが出来たという事でオープニングイベントに室町御池まで出向きました。
中島貞夫監督がの名付親ということで記念のお話などもあり、日本映画好きが集まるぞと云う訳で今月末開催の<新京極映画祭プレイベント>「グラインドハウス in 新京極/勝新2本立て」と、京都みなみ会館恒例<市川雷蔵映画祭2008>の宣伝をかねてご挨拶に。
間口は狭く一間ばかりなれど、さすがに「うなぎの寝床」の京都の真ん中。奥に広い構造で久々に一階と二階の各座敷に発足に動かれた幾つかグループが集ってなかなかの賑わい。
監督ともずいぶんお久しぶりでしたが、お元気そうでKBS京都テレビの長寿番組となって来た「中島貞夫の邦画指定席」のファンに囲まれて京都の映画100年のお話など、お話もはずみました。

さて室町、と云えば近くにはエスの馴染みの老舗珈琲専門店があるワケでとうぜん帰りに一杯は飲みたくなると言う次第。
いやすみません、東入ルではなく、下ルの方でして。イノダじゃなくって、マエダなのであります。
実は先に入ったコンビニでなんとなんとドリンク棚のチルドコーヒー・コーナーに、カフェラテやスタ−バックスの名前と並んで、前田珈琲の文字を発見!なんと“京都老舗の味 前田珈琲「龍之助」”という名前のオリジナルブレンドコーヒーが、流行のチルド珈琲となってコンビニに並べてあったのです!
思わずトムとジェリーみたいに目の玉が飛び出して「うぉおぅあわわっ」と買いまくり!(いや、自分がガブ飲みする訳ではなく、スタッフにも飲んでもらおうと云う訳で・・)

ご愛飲の皆さまや、ご存知の方も多いでしょうが、チルドコーヒーは、加熱処理はしていないので賞味期限はかなり短めらしいのですが、そのかわりに風味を損なわず保てるので、従来の缶コーヒーより数段おいしくって、缶コーヒーよりも少し割高なれど、チルドコーヒーのリピーターが多いのだそうです。
今やスターバックスやドトールコーヒー、老舗モノでは大阪の丸福珈琲なんかが続々と出ていて売れ行き好調の成長市場なんだそうです。いちばん驚いたのが業界先駆けの「カフェラテ・シリーズ」がこれだけの競合商品が出てもなお市場の5割をキープしている実力。これはまさにチルドコーヒー界のチキンラーメン!って少し違うか?

やはり最初のCMが強烈やったもんね。
「羊たちの沈黙」で大ブレイクした直後の高額ギャラの女優ジョディ・フォスターを起用して「ジョディはいつもカフェラッテ♪」。まだスタバも日本上陸はるか前に、「これがいま最新のカフェスタイル」とアピールしたあの商品イメージは強烈でしたからね。とにかくあんなに最高に美味しそうにストローでコーヒーを飲むジョディを見たら一発、誰もが「の、のみたい〜」と成ってましたから。そんなコトを覚えてる人は、ええお年ですが。(しかしあの頃のジョディは最高でしたね、今は・・・)

そしてたとえギャラは高くても演技力の高さって凄いですよね。という処からの考察が、サントリー缶コーヒーBOSSでのトミー・リー・ジョーンズ起用による「宇宙人ジョーンズさんシリーズ」。
明らかに男の苦みと美味さが伝わってきませんか。商品もやはり大ヒットです。
そこで今度6月に「ノーカントリー」の上映に合わせてナイトも企画を立てたんですが、。って、ハイすみません。蛇足、だそく。

そんなわけで、コレ(写真)
殺風景なデスクを隠すためのバック背景は、<新京極映画祭プレイベント>「グラインドハウス in 新京極/勝新2本立て」(裏面が市川雷蔵映画祭なんだよ)
そしてエルマガジン別冊「KYOTO アートを楽しむ京都地図本」
なんと、巻頭の1頁カラー全面が、京都みなみ会館!!!
ナカ面では変わったオールナイト企画ばかり(!?)をやっている映画館で紹介されてます、とほ。一度見てみてね!



Posted by エス at 12:41

ヒトラーとレーニンの幻想☆浮遊する映像世界〜ソクーロフ大特集

2008年05月17日

「世界の映画にとって、アレクサンドル・ソクーロフがいることは非常に幸福である。」
・・・映画監督 マーティン・スコセッシ

ソクーロフ。その作品の魅力とは、言葉に頼らない映像の力強さにあります。
一昨年、イッセー尾形が昭和天皇ヒロヒトを演じた事で大きな話題となった『太陽』の公開で一躍日本でも知名度が上がったロシアの映像作家アレクサンドル・ソクーロフ。
『太陽』はソクーロフ監督が、歴史上の人物を描くシリーズ【権力者4部作】のうちの第3作でしたが、第2作で未公開作であった1920年代ソ連とレーニンの晩年を描いた『牡牛座 レーニンの肖像』が順序を前後してロードショーされるにあたり、その作家としての全貌をもっと垣間見ようと、京都みなみ会館で初めての<ソクーロフ監督大特集>を組む事になりました。(これ迄は3作品内の小特集でしたので) ちなみに第4作目は、ゲーテの『ファウスト』とトーマス・マンの『ファウスト博士』についての映画となる予定です。



<ソクーロフ監督特集> 上映期間は、5月17日(土)〜30日(金)の2週間。
特集上映では、シリーズの第1作で、晩年のヒトラーの素顔を描いた『モレク神 』。世界的な評価を確立した壮大な叙事詩『日陽は静かに発酵し…』。ワンシーン・ワンカットによる映像マジックで世界的に大ヒットした代表作『エルミタージュ幻想』を初め、これ迄京都で上映機会の無かった初期作品『ヒトラーのためのソナタ』『孤独な声』『痛ましき無関心』など全9作品8プログラムを『牡牛座 レーニンの肖像』ロードショーと合わせて合計10本、一挙連続上映致します。

特集上映のトップバッターは、なんと20年に渡ってヒトラーを考察した2作品の豪華2本立。
『ヒトラーのためのソナタ』(1979年)は、同時代を生きた二人の独裁者ヒトラーとスターリンの人生を対比させた短編。
そしてその映像制作の原点たる想いを発展させて、20年後に結実させた長編が『モレク神 』(1999年)です。


この作品でソクーロフは「ヴィスコンティ監督の『ルードヴィッヒ 神々の黄昏』と並ぶ傑作」と絶賛され、見事に<1999年カンヌ国際映画祭・最優秀脚本賞>を受賞しています。

『モレク神』とは、古代セム族が子供を人身御供にして祭った恐ろしい犠牲を要求する神の名前。旧約聖書では、“悲惨な災い”や、“戦火のシンボル”となっている。
この映画では、愛人エヴァと過ごすヒトラーの普段の生活を静かに描き続ける。
ヒトラーの山荘の留守を預かり裸で歩き回っている愛人エヴァ。
ピクニックに行き子供のようにはしゃぎまわり、ジョークを連発するヒトラー。
ひとたび自分の気にいらないことがあると突然怒り出し、冷酷な言葉を浴びせるヒトラー。
愛人エヴァと2人きりになると、途端に弱気な子供のように甘えん坊になるヒトラー。
「ヒトラーを徹底的に“ひとりの男”に引きずり降ろさなければ、歴史の悪循環は断ち切れない」と言うソクーロフの想いと『牡牛座 レーニンの肖像』、『太陽』へ連なるシリーズの構想がよく分る作品です。
この上映機会にぜひ京都みなみ会館にてご覧ください。

 【京都みなみ会館 今週のスケジュール】
5/18(日),19(月) 上映時間=「牡牛座」15:45、「モレク+ヒトラー」17:35、
5/20(火),21(水) 上映時間=「牡牛座」15:45、「静かなる一頁」  17:35、「エルミタージュ」19:05
5/22(水),23(木) 上映時間=「牡牛座」13:40、「日陽は」15:30、「孤独な声」15:00、「痛ましき」19:40
http://www.rcsmovie.co.jp/minami/2008/oushi/0520.htm#1


Posted by エス at 17:53

京都に縁ある『呪怨』の清水崇と豊島圭介監督in京都みなみ会館

2008年05月16日

5月15日の夜、『幽霊VS宇宙人』レイトショーの舞台挨拶で京都みなみ会館にお越しいただいた2大監督。
清水監督はなんと昔、学生の頃に京都に住んでいて、映画館で働きたいと考え、京都ロキシー(今のMOVIX京都)でアルバイトをしていたそうで、その頃に京都みなみ会館へも映画をよく見に来て頂いていたとの事。いやはや知りませんでした。

エスはその後、そんな清水さんの監督した劇場長編第1作『富江re-birth』(2001年・酒井美紀が富江役)を、自分からオファーしてレイト上映して、『呪怨』の初公開ではビデオ版1&2も弥生座で上映会開いたりとかしていたもんだから、ちょっとしたご縁を感じます。ほんと世間は狭いよね。


てっきりハリセンボン・箕輪はるか(28)のロマンス発覚はご存知の上の演出ですか?とお聞きしたら、「ええっ、それは知りませんでした!」とめちゃ驚いておられました。いやはや、あの2人の掛け合いはまんまリアルに現実やったというワケで、春菜の突っ込み具合も改めてまたチェックしてみよ。
大阪も上映終わっているので、この後の上映は神戸アートビレッジセンターの6月上映待ち。
http://kavccinema.blog74.fc2.com/

まあ後でDVD売る為(提供:キングレコード)の上映会ではある訳ですが、それでも劇場で見るのも決して損はない、緩いスローボールでも気合は入った可笑しな映画。
大体、全米ベスト1の大ヒットを飛ばした日本で唯一の監督が自分から進んでVシネ撮ってる事からしてチョー可笑しすぎ。
う~ん、それにしても宇宙人・山本彩乃のホットパンツガール攻撃とディープ・キッスは強烈やった・・・。元男闘呼組の高橋和也が精気を吸い取られる説得力が十二分。テレビの「怪奇大家族」「新・耳袋」からの起用ということで、演出との息もピッタリ。もうトビー・フーパーやジョン・カーペンター好きのボンクラ男子は暗闇で存分に精気を吸い取られて、“死んで蘇って”欲しいもんです。
来場割合は少なかったものの女子観客にもかなり笑って貰ったようで良かったよかった。あとはもうちょっと早い時間で上映組めれば見に来て貰えた方もおられたようで、どうも吸いません、じゃ無く、すいません!


京都みなみ会館の怪談いや階段踊り場で、ポスターバックの2大監督。

P.S. いまインディーズの日本映画を支える貴重なスター、高橋和也さんの新作映画、川端康成原作『夕映え少女』を、このあと6月1~6日に京都みなみ会館で上映します。
http://www.fnm.geidai.ac.jp/yubaeshojyo/ 東京芸大・若手作家の頑張りをぜひ見て下さい。


Posted by エス at 23:59

葵祭だす!みなみ木・金レイトは『幽霊VS宇宙人』挨拶付どす!

2008年05月15日

葵祭だす!みなみ木・金レイトは『幽霊 VS 宇宙人』どす!「呪怨」の清水&豊島両監督も来館やし!

今日5月15日は、京都三大祭のひとつ<葵まつり>が行われます。
なんと平安時代より続く“ニホンの祭”史上でも数少ない王朝風俗の伝統が残された最も優雅で古趣に富んだお祭で、総勢500名以上の大行列が、平安貴族そのままの装束で、牛車やお馬さんと共に京都市内を歩き進みます。
起源は今から約1400年(!!)前で、凶作で困ってたら「こりゃ賀茂の神々の祟りじゃ」という事で参って祈れば五穀豊かに実り国民安泰、という基本型。しかし六世紀からって・・・キトラもびっくりっすよ。
して、一行は朝に京都御所を出発(10:30)しますと、下鴨神社(11:40)を経て、神事して休憩とって上賀茂神社(15:30)へ向かいますから、もうのどかさも最高潮。時に牛も馬も大きな落し物をアスファルトにごろんと出して行くのもダイナミック!
いやあ良いお天気でヨカッタですね。


って、いやいやそんな葵の祭バナシじゃあ無く、京都みなみ会館の、映画の祭り話を聞いてやってください!!
京都みなみ会館ではそんな歴史的お祭の夜に、映画ファンの皆様に腹を抱えて笑って帰って頂こうと、とんでもないタイトルを持つホラー・コメディのレイトショーをご用意致しました。その名も『幽霊 VS 宇宙人』!
はい、すみません“蒼井祭”も“あおい祭”も今回無しで。また後で組ませていただく心算はありますのでちょいと待って下さい。
えっ!?でも前にも『幽霊 VS 宇宙人』って有りましたけど。
な~んて言える映画通の人もそういないと思いますが、実は5年前に同タイトルで短編集の競作として製作され、京都では<京都学生映画祭>にて特別プレミア上映が行われていたのです。(自分でも忘れてた・・)

しかし今回の新たな映画化での見どころは、前作で清水監督が“幽霊”、豊島監督が“宇宙人”をそれぞれ担当しパートが分かれていた部分を共有して合体させた見事にアホな二つの脚本。ホントにアメリカのSFとホラーで育ってきたボンクラ人間にはそのバカっぷりがイタイほど判ります、って痛たた。

いやはや、ハッキリ言って宣伝写真の通りでユルさ全開やけれど、これがなかなかオモロイんです。
先ず上手いと感心したのが「ハリセンボン」の正しい起用の仕方。山下敦弘監督との絡みにはわろた。
なるほど、笑いのユルさをホラーコメディにはめ込むには“つなぎ”は、量と具合が肝心。
「松ケ根乱射事件」の山中崇と柳ユーレイの成り行きも、堀部圭亮の変わり身も、前半ではスジのはしょり方が楽しく、後半では余韻を湛えてオチヘと導くんですが、映画の締めを預かりクールに構える高橋和也の精気をお口で吸い取る美しい魔性のオンナ(山本彩乃って恐らくグラビア・アイドル?)が、超たまらなくエロティックでっす。驚異のホットパンツガールに男子はご用心ください。


Posted by エス at 00:00

第80回アカデミー賞作品賞『ノーカントリー』京津にて上映決定

2008年05月13日

連休明けてからドタバタ(汗)で、なかなか更新出来なくてごめんなさい。
一先ずはちょっと名の通った話題作の公開が決まりましたのでお知らせ、お知らせ。

本年度、第80回アカデミー賞 作品賞 監督賞 助演男優賞 脚色賞など、主要4部門を受賞したコーエン兄弟の最新作『ノーカントリー』を、京都アンコールで今月より、そして大津では来月に初めて上映します。
先ず5月27日(火)より京都みなみ会館でアンコール・ロードショー。
続いて6月中旬より滋賀会館シネマホールにて大津初ロードショー。

コーエン兄弟の作品はインディーズ・デビュー作の『ブラッド・シンプル』のあと、直ぐに20世紀FOXと契約したこともあって、何時でもメジャー系とミニシアター系を行き来して来た様な印象ですが、RCS的には『未来は今』『ファーゴ』『ビック・リボウスキ』と3回も京都みなみ会館の新春映画に選んで来た訳でして“ミニシアター時代”を代表してきた偉大な作家としての期待感は今もずっと続いている気がします。
今作では主演のトミー・リー・ジョーンズも何時もながら素晴らしいですが、何と言っても今年の助演男優賞を全て総なめにした恐怖の使者、ハビエル・バルデムのインパクトが超絶に凄まじいので、先ずはそこんとこチェックしておいて下さい。

今年のアカデミー賞の受賞結果については,前夜の2月24日のブログでも予想などを書いていたんですが、まあこれだけアート系寄りな年もそうは無いよ、って感じで、脚本家協会のストなども重なって盛り上がりも弱かったですが、『フィクサー』ぐらいしか上映のなかった大津ではいろいろな作品について上映の行方を考えて行かねばならずでとってもタイヘン。
まあ慌てずに、出来る事から、ですね。
あ、でもその中から一番ご期待の高かった『つぐない』は7月ごろにて滋賀会館シネマホールでの公開が決まりましたよ。


Posted by エス at 23:58

ベルリン国際映画祭グランプリ金熊賞『トゥヤーの結婚』京都公開

2008年05月09日

こんなに沢山の映画を見てきていても、まだまだ驚きと発見の連続がある。だから映画ってやめられない、止まらない。
2007年のヨーロッパを沸かせた、内モンゴルを舞台にしたアジア映画の秀作が京都みなみ会館に登場します。
昨年のベストテンで日本での評価も確立したヴェネチアのグランプリ『長江哀歌』と並んで、ベルリンで世界の頂点に立ったのがこの『トゥヤーの結婚』だ!
この二つをしっかりと見届けて、新しい世代のアジアの旋風を偏りなく感じておきましょう。

ラクダに乗ったヒロインが逞しくってカッコ良く。
なんと幼い2人の子供を抱え、オトコふたりも入れて一家4人の生活の面倒をみる・・・


しかしいちばんの驚きは、この映画の主演女優ユー・ナンです。彼女はこのベルリン国際映画祭での大絶賛を受け、すぐさまハリウッドに進出しており、今夏公開の大作で「マトリックス」のウォシャオスキー兄弟の最新作『スピードレーサー』に主演しています。そう、あの日本のアニメ「マッハGo!Go!Go!」の実写映画版であります。チャン・ツィイーに続く中国出身の大女優へとイッキに頭角を現しそうですよ。
これぞジャンルや国境に捉われない世界的映画スケールの面白さ!

だんなのバータルはダイナマイトの事故で下半身が不随に。
たくましく活きるヨメの大胆な決断とは・・・。

えっ、崔洋一監督っすか!?って、いやちゃうちゃう。モンゴルの方でございます。

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Posted by エス at 23:59

連休明け週末『ペレを買った男』『ヘンリー・ダーガーの謎』終了

2008年05月09日

町中に新緑の匂いが充満する暖かな日々。連休も皆さま様々に色々と過ごされたと思いますが、映画館も大連休明けの平日と云うのはこりゃまたたいへんなモノでして、サービスデーでも何でもない今日などは思わず「キャァァァ」と悲鳴とも奇声ともつかない声を心の中で上げてしまってるんですが、まあ明日に賭けますよ、ふふふ(汗)。
などと言いつつも、その中で関係者の予想を心地よく裏切る絶好調映画が誕生!
その映画とは『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』。(ちょっと意外でしょ)
http://www.henry-darger.com/
昨年秋からずっとカミングスーン作品で半年も告知して来た甲斐があったというモノ。
『≒草間彌生 わたし大好き』とのセット上映でのアート・ファンへのアピール効果が出ているのだとは思いますが、アール・ブリュット、アウトサイダー・アートへの関心の高まりが大きな要因に成っているかも知れません。
連休から若い観客が増えてどんどんと集客が上がっています。しか〜し、もはや終映(12日)が近づいております!
本日5/9(金)= 夕方 17:00〜より一回。
ラストは、5/10(土)11(日)12(月)= 夜 20:50〜一回です。

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また他の上映での終了作品は、京都みなみ会館で今週末のみで、忽然と上映している異色ドキュメンタリー映画『ペレを買った男』が本9日(金)限り。20:35〜です。
滋賀会館シネマホールでは、ロングラン上映中のヒット作『人のセックスを笑うな』と、リクエスト・アンコールの『ALWAYS 続・三丁目の夕日』がいよいよ11(日)限り。そして前週に本ブログでオススメさせて頂いたヤマムラ・アニメーション・アートの集大成5本立て『カフカ 田舎医者』も20:30〜レイトショーで同じく11(日)限りとなります。
それぞれに見応えがじゅうぶん!どうぞ、お見逃しなく!


Posted by エス at 00:00

京都駅前ヒトだらけ、JR京都伊勢丹デパ地下の観光客狙い商法は

2008年05月05日

ゴールデンウイークの大型連休もいよいよ終わりムードでありますが、京都は本当に凄い人出で、手に手に観光ガイドを持ったカップルにグループ、そして外国人も多い多い。観光関連,飲食関連の皆さまはもうかなりの大儲けでございます。観光帰りのお客さんがドッと増えた京都駅ビルの百貨店、ジェイアール京都伊勢丹の地下ももの凄い人口密度で、もう河原町の高島屋や阪急、大丸の担当者が見たら悔しくて哀しくなってしまう大盛況ぶり。

そんなところでたまには利用する店にも寄り辛く、メシも喰えないままスタコラ退散のワタクシ。
それでも伊勢丹の商法と言うものがハッキリと見えてくるのがちょっとした売り場の展開の妙。

地下2階のこの場所は、通常は北海道から九州までの名物の実演販売コーナー。
なのですが、観光客が集中して多くなるであろうとの想定からか、ここが珍しく地元京都の美味いものコーナー<今日の味めぐり>に変身しておりました。

メインのベスト・ポジションは貫禄の「下鴨茶寮」。
たっかい高いお弁当にお惣菜が飛んで行く様に売れて行きます。
「半兵衛麩」の生麩。「野呂本店」のお漬け物。「ヤオイソ」のフルーツ散怒、いやサンド等々。もうブランドだからみんな超高級。値段も申し分無いっすよ。
しかしその中でもその露骨さに顔が引きつって笑いそうになったのが「大徳寺さいき家」の、出し巻きたまご、のセット!?

いやはやさば寿司と出し巻きのセットって・・。店で見たの初めて。京都の名物まとめ買い〜おトクでっせ〜。
裏側では『花折』さんも出てるのに、って軽めの観光客にはこんな扱い方が判り易いのでしょうか。この驚異の「saba玉セット」の存在を知った事が今日の収穫か、って何の?
しかしまるで角川書店の世界名作シネマ全集DVDで『2001年宇宙の旅』と『インデペンデンス・デイ』をパックにして売られた様な気分。

ああ、連休が終わるよ。って、映画館はみんな休日も働いていますが。
連休シフトの皆さん、お疲れ様です。何時もありがとう、ご苦労さまです!!


Posted by エス at 21:11

5日公開『潜水服は蝶の夢を見る』滋賀『パラノイドパーク』京都

2008年05月04日

快晴の良いお天気続きだった連休も最後にはちょっと崩れるみたいですが、皆様は映画何か見に行かれましたか?
ゴールデンウイークとは映画興行から生まれた言葉なんですが、今年の連休は話題作や大作が少なく
映画館もヒット作が少なく盛況に恵まれたスクリーンは僅かなようです。
一番調子が良いのはなんと東宝作品ではなく、意外にも東映作品!
テレビシリーズの人気から登場した『相棒 劇場版』がトップの成績です。
テレビ朝日系列が全社一丸となって宣伝に努めて、主演二人のキャンペーンも凄まじく総力戦が実を結んで大ヒットしてくれたので、映画興行全体の数字をどうにか持ち上げました。
どうにかテレビ局のお陰で息をついてる映画街ですが、各種アニメや前の「武士の一分」も当然の様にアッと云う間の1年以内のテレビ放映でしたから、今回も当然そうなる訳でしょうし、シネコン系もそこ頼みじゃ辛いと思うんですが、リメイクでもないオリジナルの劇場長編をヒットさせようという気概が出てこないのは残念ですね。
全てがダメというつもりも無いですが、「今のラインナップじゃ見に行きたい映画も無いな」なんて思うのは私だけじゃないと思うのですけれど・・・。

さてそんな状況の中、オリジナル脚本や演出の面白さに膝を叩いて選んでくると、世界の色んな映画が集まってくるんですが、滋賀会館シネマホールでは、本4日にて上映が終了し大好評を頂いた『ONCE ダブリンの街角で』に続いて、またも今年のアカデミー賞で話題をさらった秀作『潜水服は蝶の夢を見る』が登場します。


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Posted by エス at 23:13

千里セルシーシアターGWの大冒険はブラッド・ピットの受賞作?

2008年05月03日

見事な行楽日和の4連休はじめ、みな様いかがお過ごしでしょうか。
とってもよいお天気でおでかけ気分も全開ですが、出掛けたならば行きましょう、映画館へ!
シネコンの様なわけには参りませんが、ミニシアター系映画館も工夫を凝らしたプログラムを用意して、皆様をお待ちしているのであります。

今回の、お伝えしておかなければ!映画は、ただいま千里セルシーシアターで上映中。あのブラッド・ピットが、仲間に暗殺された実在のアンチヒーローに扮した『ジェシー・ジェームズの暗殺』です。
なんと、「ブラピ主演作とはえらいメジャー持ってきたな」って言われそうですが果てさて、でも一体この映画のタイトル知ってた人って、どのくらいおられますでしょうか?



実はこの映画、今年の1月に新春第2弾作品として全国公開されていたのですが、拡大公開の決定が年末ぎりぎりで、殆ど宣伝が拡がらぬままでお正月が終わるやいなやのロードショーでしたから、せっかくのブラピ主演作でも多くの方に見過ごされたと思います。そして何より有名なお尋ね者の題名から西部劇というジャンルを免れず、女性からの食指も伸びなかったと思われます。
後から聞くと、本来は米国での反応を踏まえてもう少し遅れてからアート系の雰囲気を込め、劇場数も少なく絞った処でこの『ジェシー・ジェームズの暗殺』を公開する予定だったと言うことですが、12月の上映作品が不振のため、ブラピのビックネームを信じて繰上げ拡大公開になってしまった、と言うことです。
そうして正月興行の中で目立たぬまま、かなり可哀想な興行結果に終わったのです。
しかしこの映画って、昨年の<ベネチア国際映画祭>でブラッド・ピットが【最優秀主演男優賞】を受賞してるんですよ。もうちょうっとソコんところを押してあげてもいいじゃないか。メジャー配給って冷たすぎるやん。
こちらとしてはグランプリ作の『長江哀歌』に続いて見て頂ければ嬉しいと言うこと。
と言うわけで、ゆっくりとご覧頂けるゴールデンウイークのお昼に上映を組んじゃった次第。
ブラピ・ファンのスタッフも頑張ります!ってことならばの大英断大胆アンコールなのであります!(だってホントにロードショー、恐ろしい位お客さん入ってなかったんです・・)
西部を舞台に、刹那の宿命に操られた男たちの哀切を描く秀作。
詩的な映像美、音楽も印象的。だってキャメラは名手ロジャー・ディーキンスですよ!!スクリーンで観なきゃ損です。
どうか千里中央駅すぐ降りて1分。応援ご鑑賞のほど、よろしく見に来て下さいね。


Posted by エス at 23:59