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Posted by 滋賀咲くブログ at

カンヌ国際映画祭金の椰子グランプリ『4ヶ月、3週と2日』初日

2008年05月28日

もう早、夏を感じる暑さの5月下旬。今年も恒例<第61回カンヌ国際映画祭>のパルム・ドール、グランプリ他各賞受賞結果が26日発表に。
やりましたね!日本映画から、唯一の招待作品だった黒沢清監督の『トウキョウ ソナタ』が見事にある視点部門の審査員賞を受賞しました。
2001年『回路』での国際批評家連盟賞を受けて以来、再びの栄冠であります。日本では本当になかなか黒沢映画が興行的に当たりませんが、これで世界での評価はますます高くなるでしょう。今やフランスでクロサワと言えば、アキラではなくキヨシを挙げる人がかなり多いそうです。スゴイですね。そういえばテレビのニュース映像紹介ではオダギリジョーも一瞬映っていたけど、あれは2003年の『アカルイミライ』(コンペに選出)の時の使い回しだったのだろうか?
それにしても、あの赤絨毯を浅野忠信と歩いてから「サッド・バケイション」でのオダギリジョーの共演があったりする訳で。黒沢映画に主演したふたりのその後の国際的な活躍にも大きくかかわって行くのですから、たったひとつの映画から、人生変わる、変わる!

そして今回のコンペティション部門の最高賞、パルム・ドールは、フランス映画でローラン・カンテ監督の「ENTRE LES MURS(THE CLASS)」が選ばれました。フランス人監督のパルム・ドール獲得は、「戦場のピアニスト」のロマン・ポランスキー監督の受賞以来6年ぶりとなるとのことですが、フランス映画自体の受賞って、20年ほど前の「悪魔の陽の下で」以来の久々じゃないだろうか?
準賞となる審査員グランプリは、お隣イタリアのマッテオ・ガローネ監督「Gomorra」が受賞。
う〜ん、なんだか知らん顔ぶればかり。メイレレスやイーストウッドなど有名どころは外れたようですね。なんだかどうやら今年の審査員チームはメジャーな匂いの映画を外してきた感じです。

最高賞パルム3回目の快挙を成し遂げそうな勢いもあった、やはりお隣ベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟最新作「Le Silence De Lorna」(原題)は、それでも脚本賞を受賞!さすがです!


しかし、パルムドール受賞!と言ってもやっぱりイマイチ、ピンとは来ないんですが、日本人はあまりにも長く“Grand Prix”の方が最高だと信じていました。実は“Palme d'Or”を“グランプリ”として言い換えて長年ずっと紹介していたのです。
ですから準賞となるホントの“Grand Prix”名義をあえて“審査員特別賞”として紹介していました。けれどもそれとは別に“審査員賞”などもちゃんとあるものだから、ホント確かに分かりにくかった。
それが、日本国内でのカンヌ映画祭での<グランプリ>の呼称が1993年ごろに、突如として<パルムドール>表記に変わったのでややっこしい。それまでは先日上映した「甘い生活」も、「影武者」も“グランプリ受賞!”としか書いていませんでしたから、突然正しく改められても戸惑うばかり。たぶん配給する会社も、この表記を正しく書きたかったのでしょう。そうして審査員グランプリを受賞した映画はその時から鼻高々に「カンヌ・グランプリ受賞!」と大書きしてくるようになりました。
グランプリではなくて、パルムドール受賞!と始めてハッキリと印刷した最初の映画は、たぶんビレ・アウグストの『愛の風景』ではなかったでしょうか。誰か覚えてます?
大体“パルムドール”ってパルム(椰子)の人形、とか思っている人すらいると思うけれど“Palme d'Or”ですので、“黄金の椰子”なんですよね。

で、去年この黄金の椰子のパルムドール“Palme d'Or”を受賞した作品というのが、滋賀会館シネマホールでのロードショー上映が始まったルーマニア映画『4ヶ月、3週と2日』なのですよ。
と言うことで、ようやく見出しに書いた映画のタイトル“金の椰子”に辿り着きました。どうもお疲れ様です。


これは、二人だけの秘密──。
1987年 官僚主義がはびこり、人々の自由が極端に制限されていた独裁政権下のルーマニア。
法律で禁じられた“こと”を実行した勇気あるヒロインの物語。

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Posted by エス at 00:57